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第9話 4月8日 保健体育の授業で見た、未来の自分たち

Penulis: ちばぢぃ
last update Terakhir Diperbarui: 2025-12-05 11:00:05

朝から教室の空気が少し違っていた。

月曜日の時間割に「保健体育・特別授業」とだけ書かれていて、クラスの男子たちはざわついている。

女子は別室に移動すると聞いていた。

颯音が小声で俺の耳元に囁いた。

颯音「……今日、例の授業だよね」

蓮「うん……なんかドキドキする」

颯音「俺も……蓮と一緒に見るんだって思うと、変な感じ」

俺たちは顔を見合わせて、すぐに目を逸らした。

耳が熱い。

5時間目。

保健の先生(40代くらいの優しそうな女性)がスクリーンを降ろして、教室の鍵をかけた。

カーテンも閉められて、教室が少し暗くなる。

先生「今日は思春期の体の変化について勉強します。

恥ずかしい気持ちもあると思うけど、これはみんなが通る大切な道。

ちゃんと向き合って、自分の体を好きになってくださいね」

颯音と俺は隣同士の席で、教科書を開いた。

でも、二人とも教科書なんて目に入っていない。

先生がスライドを映す。

『思春期男子の身体的変化』

- 身長が急に伸びる

- 筋肉がつきやすくなる

- 声が変わる(変声期)

- 陰毛・腋毛が生える

- 陰茎・睾丸が大きくなる

- せー通(初めての〇精)

先生が淡々と説明していく。

教室はシーンと静まり返っていたけど、俺の心臓は爆発しそうだった。

先生「11~14歳くらいで、ほとんどの男子が精通を迎えます。

夜中に夢の中で出てしまう『夢精』が最初の場合も多いです」

颯音が俺の膝にそっと手を置いた。

指が小刻みに震えている。

蓮「(もしかしてこの前のやつって…)」

先生「これは恥ずかしいことではなく、立派に大人に近づいている証拠です」

スライドが切り替わって、陰茎の成長過程のイラスト。

小学生くらい→中学生→高校生→成人。

颯音が俺の耳元で、ほとんど息だけで囁いた。

颯音「……蓮の、将来こんなふうになるんだ……」

蓮「……颯音のも」

二人して顔を真っ赤にして俯いた。

先生「思春期はホルモンの影響で、性的な興味が強くなります。

好きな人や、憧れる人のことを考えて、陰茎が勃起したり、オナニーをしてしまうのも自然なことです」

教室のどこかでくすくす笑いが漏れた。

颯音が俺の手をぎゅっと握った。

先生「相手を思いやる気持ちを忘れずに、自分の体も大切にしてくださいね」

先生が最後に言った言葉。

先生「好きになった人が同性でも異性でも、それは自然なことです。

自分の気持ちに嘘をつかないでください」

颯音と俺は、びくっと体を震わせて顔を見合わせた。

先生は優しく微笑んでいた。

授業が終わって、チャイムが鳴る。

教室が明るくなって、みんながざわつき始めたけど、俺たちはしばらく動けなかった。

颯音「……蓮」

蓮「うん……」

颯音「俺たち……これから、もっと変わっていくんだね」

蓮「うん……大人になっていく」

颯音が俺の耳元で、ほんとに小さな声で言った。

颯音「蓮の……将来の姿、想像したら……ドキドキしちゃった」

蓮「……俺も」

颯音「俺……蓮のこと、もっともっと好きになっちゃうかも」

蓮「俺だってもう十分すぎるくらい好きだけど……もっと好きになる」

颯音が恥ずかしそうに笑って、俺の肩に頭を軽くぶつけてきた。

放課後、誰もいない教室で二人きりになった瞬間、颯音が俺に抱きついてきた。

颯音「……蓮」

蓮「ん?」

颯音「今日の授業……俺たちみたいだって思った」

蓮「え?」

颯音「好きになった人が同性でも自然だって……先生、言ってくれた」

颯音の目が潤んでいた。

蓮「……うん」

颯音「俺……蓮のこと、これからもずっと好きでいる自信ある」

蓮「俺も」

颯音「体の変化も……全部、蓮と一緒に経験したい」

蓮「うん……夢精も、声変わりも、全部」

颯音が顔を真っ赤にして、俺の胸に顔を埋めた。

颯音「……蓮と、一番最初に……したい」

蓮「……俺も」

颯音「約束だよ」

蓮「約束」

帰り道、桜並木の下で、颯音が急に立ち止まった。

颯音「……蓮」

蓮「ん?」

颯音「今日から……俺たち、本当の意味で大人に向かってるね」

蓮「うん」

颯音「怖いけど……蓮と一緒なら、楽しみ」

蓮「俺も」

颯音が俺の唇に、いつもより少し大人っぽいキスをしてきた。

颯音「……これから、もっともっと蓮のこと知りたい」

蓮「俺も」

夜、お風呂の中で、颯音が恥ずかしそうに言った。

颯音「……蓮」

蓮「ん?」

颯音「今日……ちょっと、授業のせいで……変な気持ちになっちゃった」

蓮「……俺も」

颯音「蓮と一緒のお風呂で……我慢するの、辛い」

蓮「……うん」

颯音が俺の背中にぎゅっと抱きついてきた。

颯音「でも……まだ、だめだよね」

蓮「うん……大人になってから」

颯音「約束の、桜の木の下で」

蓮「うん」

颯音「それまで……いっぱい我慢しよう」

蓮「一緒に我慢しよう」

颯音「蓮……大好き」

蓮「俺も……大好き」

布団に入ると、颯音がいつもより強く抱きついてきた。

颯音「今日、俺たち……また一つ、大人になったね」

蓮「うん」

颯音「これからも、ずっと一緒に大人になろう」

蓮「ずっと」

保健体育の授業で見た未来の自分たち。

少し恥ずかしくて、すごくドキドキして、でも何よりも幸せだった。

俺たちの365日。

今日から、少しずつ、大人の階段を上り始めた。

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